なぜPDFツールを比較する必要があるのか?
オンラインのPDFツールはどれも似て見えますが、ファイルをどこで処理するか、無料版で何ができるか、どのくらいのサイズまで扱えるかは大きく違います。選び方を間違えると、手元に置いておきたい機密文書をサードパーティのサーバーにアップロードすることになったり、作業の途中でサイズ上限に引っかかったりします。
本記事では、プライバシー、料金、機能、利用制限の4つの観点から、Allin PDF、iLovePDF、SmallPDFを比較します。
ポイント:iLovePDFとSmallPDFは長く使われている定番サービスで、Allin PDFは比較的新しいサービスです。実用面で最も大きな違いは仕組みにあります。Allin PDFは大半の作業をデバイス上で行い、多くのオンラインサービスはファイルをサーバーにアップロードして処理します。
総合比較表
| 比較項目 | Allin PDF | iLovePDF | SmallPDF |
|---|---|---|---|
| 処理方式 | ローカルツールはブラウザ内で処理。Office変換とAI機能はクラウド | サーバー処理 | サーバー処理 |
| ファイルアップロード | ローカルツールは不要。クラウドツールは暗号化通信で送信 | サーバーへのアップロードが必要 | サーバーへのアップロードが必要 |
| ログイン | ローカルツールは不要。クラウドツールはGoogleログインが必要 | プランにより異なる | プランにより異なる |
| 無料枠 | ローカルツールは無制限。クラウドツールは1日の回数制限あり(例:PDF→Wordは1日1回) | プランにより異なる | プランにより異なる |
| 有料プラン | $9.99/月 または $59.99/年 | プランにより異なる | プランにより異なる |
| オフライン対応 | Web版はネット接続が必要。iOSアプリならローカルツールをオフラインで利用可能 | 各社アプリの説明を確認 | 各社アプリの説明を確認 |
| AI機能 | AI文書復元(スキャン文書の手書きを除去)、Pro向けAI OCR | 公式サイトで確認 | 公式サイトで確認 |
| OCR | 無料のブラウザ内エンジン(5言語)+ Pro向けAI OCR | プランにより異なる | プランにより異なる |
| プラットフォーム | Web + iOS(Android版はGoogle Play未公開) | Web + デスクトップ・モバイルアプリ | Web + デスクトップ・モバイルアプリ |
| ファイルサイズ上限 | 無料 5MB / Pro はローカルツール50MB・クラウドツール30MB | プランにより異なる | プランにより異なる |
競合のプラン、回数制限、ファイル上限は頻繁に変わるため、最新情報は各社が公式に公開している料金をご確認ください。
プライバシーとセキュリティ:最大の違い
3つのツールの最も根本的な違いは、ファイルがどこで処理されるかです。Allin PDFは「ローカルファースト」の設計で、結合、分割、圧縮、画像→PDF、PDF→画像、暗号化、パスワード解除、透かし、ページ管理、無料OCRを、pdf-lib・PDF.js・Tesseract.jsなどのライブラリを使ってブラウザ内で実行します。これらのツールではファイルはデバイスから出ません。
一方、iLovePDFとSmallPDFは従来のアップロード→処理→ダウンロード型で、ファイルは各社のサーバーに送信されます。ファイル削除のポリシーは各社が公開しているので、機密文書をアップロードする前に確認しておきましょう。なお、Allin PDFのクラウドツール(PDF→Word/Excel/PowerPoint、Office→PDF、AI文書復元)も暗号化通信でファイルを送信します。Allin PDFはファイルの内容を保存せず、ファイル名や内容をログに記録しません。
- ローカルファーストアーキテクチャ
- データをリモートサーバーではなく、ユーザー自身のデバイス上で処理するソフトウェア設計の考え方。PDFツールの場合、ファイルをアップロードしないため、第三者のサーバーにファイルが置かれることがありません。Allin PDFはすべてのローカルツールでこの方式を採用しています。
料金とコストパフォーマンス
| プラン | Allin PDF | iLovePDF | SmallPDF |
|---|---|---|---|
| 無料版 | ローカルツール無制限・登録不要。クラウド:PDF→Office 1日1回、Office→PDF 1日3回、AI復元 生涯1件 | プランにより異なる | プランにより異なる |
| 月額 | $9.99 | 料金ページを参照 | 料金ページを参照 |
| 年額 | $59.99(月あたり約$5.00) | 料金ページを参照 | 料金ページを参照 |
| Proの1日あたり回数 | PDF→Office 200回、Office→PDF 200回、AI復元 50回 | プランにより異なる | プランにより異なる |
コスパの考え方:結合、分割、圧縮、パスワード保護が中心なら、Allin PDFの無料ローカルツールだけで十分な場合が多く、アカウントも不要です。Officeファイルの変換が多い、大きなファイルを扱う、チーム機能が必要という場合は、有料プランを選ぶ前に3社の最新プランを比べてみてください。料金はすべて米ドル表記です。
機能詳細比較
PDF変換
3つともPDF→Word/Excel/PowerPoint変換に対応しています。Allin PDFはAdobe PDF Servicesで変換し、.docx・.xlsx・.pptx形式で出力します。Office→PDFはLibreOfficeベースのエンジンを使います。どちらもクラウドで処理され、ログインが必要です。複雑なレイアウトの再現度はどのツールでも差が出るため、実際の文書で試してみるのがおすすめです。
PDF圧縮
Allin PDFの圧縮はブラウザ内で行われ、3段階から選べます。低(可逆の最適化)、中(画像を再エンコード、長辺最大2000px)、高(より強い画像圧縮、長辺最大1400px、メタデータを削除)。画像の多いPDFほど小さくなり、テキストだけのPDFはあまり変わりません。iLovePDFとSmallPDFはサーバー上で圧縮するため、アップロードとダウンロードが必要です。
独自機能
- Allin PDFの強み:AI文書復元(スキャンしたページから手書きを除去。1回につき1ページ、PDF・JPG・PNGに対応)、英語・簡体字中国語・繁体字中国語・日本語・韓国語に対応した無料のブラウザ内OCR、ブラウザ内でのAES-256暗号化、登録不要で使える無料ローカルツール
- iLovePDFの強み:豊富なツール、一括処理、PDF編集・署名ツール、デスクトップ・モバイルアプリ
- SmallPDFの強み:チームワークスペース、電子署名ワークフロー、クラウドストレージ連携、デスクトップアプリ
処理速度とネット環境
速度の違い:Allin PDFのローカルツールにはアップロードもダウンロードもないため、処理時間はデバイスとファイルの内容で決まります。サーバー処理のツール(Allin PDF自身のクラウドツールを含む)は、通信速度にも左右されます。Allin PDFのWeb版はネットに接続していないと開けません。オフラインで使うならAllin PDFのiOSアプリをインストールしてください。
回線が遅い場合や通信量を節約したい場合ほど、アップロード不要のメリットは大きくなります。ただし、Allin PDFのファイル上限は無料版5MB、Proのローカルツールで50MBなので、非常に大きなファイルには別のツールが必要になることがあります。
ユースケース別おすすめ
| あなたの優先事項 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| ファイルのプライバシーとセキュリティ | Allin PDF | ローカルツールはデバイス上で処理し、アップロードしない |
| オフライン/出張先での作業 | Allin PDF iOSアプリ | iPhone・iPadでローカルツールがオフライン動作。Web版はネット接続が必要 |
| たまに簡単な作業をする、登録したくない | Allin PDF | 結合・分割・圧縮などが無料・登録不要・回数無制限 |
| チームコラボレーションと電子署名 | SmallPDF | チームワークスペースと署名ワークフローを提供 |
| AIによる文書処理 | Allin PDF | AI文書復元でスキャン文書の手書きを除去できる |
| 大きなファイルや大量の一括処理 | iLovePDF または SmallPDF | Allin PDFの上限は無料5MB / Pro 50MB。競合の最新プランと比較を |
まとめ
2026年のPDFツール選びは、多くの場合処理の仕組みを選ぶことでもあります。ファイルをアップロードせずに日常の作業を済ませたいなら、Allin PDFのローカルツールは無料でアカウントも不要、スキャン文書にはAI文書復元も役立ちます。一方で、ファイルサイズ上限が小さい、クラウドツールはログインと1日の回数制限がある、Web版はオフラインで使えない、といった制約もあります。大きなファイルを扱う場合や、チームでの共同作業・電子署名が必要な場合は、iLovePDFとSmallPDFの最新プランを比較してみてください。
機密ファイル(契約書、財務報告書、医療記録など)を扱うときは、文書を第三者のサーバーにアップロードせずに済む、デバイス上で処理するツールを優先することをおすすめします。